金と力で裏社会を生き抜くオトコ

2013.04.09

オトコに見せたいこの映画『ジャッキー・コーガン』 /第123週(火曜担当/松村 知恵美)


1963年生まれの49歳にして、そのセクシーさで女性だけでなく男性をも魅了する俳優、ブラッド・ピット。
爽やかな美男役から、ガチ勝負ありの暴力オトコ、クセの強い悪党まで、様々な役柄をこなす彼が次に挑んだのは、アメリカの裏社会に生きる殺し屋役。

金と強さがすべてを支配する世界で、圧倒的なパワーで自らのルールに他者を従わせる殺し屋、ジャッキー・コーガンを演じています。


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この映画は2008年のアメリカを舞台にしています。
2008年と言えば、アメリカはバラク・オバマとジョージ・W・ブッシュが対決する大統領選の真っ最中。
劇中にも、彼ら二人の演説シーンが多く登場します。
まさにアメリカを二分する闘いが行われている真っ最中を描いているのです。


このジャッキー・コーガンは、ある組織のもめ事を仲裁させるために派遣されたオトコ。
安いチンピラ二人組が組織相手に起こした強盗事件の始末をつけるためにやって来たのです。

彼は手始めに、強盗事件の起こった賭場を仕切っているオトコ、マーキーを痛めつけます。
今回の事件では被害者に当たるとはいえ、スネに傷を持つマーキーにとって、ある意味、自分が蒔いた種のせいで今回の強盗事件が起こってしまったようなもの。
コーガンは、そんなマーキーを痛めつけ、組織の秩序を取り戻します。


さらに、彼は隠れていた強盗事件の犯人であるチンピラを探し出します。
ちっぽけなチンピラである彼らにとって、コーガンは畏敬の対象。
ヘビに睨まれたカエルのように、彼らは簡単にしっぽを巻いてしまいます。
そして、コーガンはそんな彼らを"優しく殺す"のです。


コーガンにとっては、殺しはビジネスですが、自らの流儀を披露する場でもあります。
コーガンの流儀から外れた生き方をしている人間たちは、彼にとってもいなくてもいい存在。
いなくてもいい人間が生きているのは可哀相で、そんな人間は殺してあげた方が親切なのです。

そうやって、コーガンは自らの流儀を貫き、裏社会を生き抜いていくのです。
その姿は、まさに"孤高"という表現がぴったり。


孤独に、クールに、自らの流儀を貫くオトコ、ジャッキー・コーガンは、金と力がモノを言う2008年のアメリカを象徴するような人物と言えるでしょう。
ブラッド・ピットの演じるジャッキー・コーガン、強烈な魅力を持ったアンチヒーローです。


(松村知恵美)


『ジャッキー・コーガン』(97分/アメリカ/2012年)
原題:Killing Them Softly
公開:4月26日
配給:プレシディオ
劇場:TOHOシネマズみゆき座ほか全国にて
公式HP:http://jackie-cogan.jp


<STORY>
2008年、ニューオリンズ。出所したばかりのフランキーとラッセルは、ある中年男から持ちかけられ、賭場で掛け金を強奪する。賭場はマーキーという男が仕切っているのだが、マーキーはかつて自分の賭場で強盗を仕組み、金を着服した過去があった。このトラブルを解決するため、ジャッキー・コーガンという殺し屋が派遣される。ジャッキーはマーキーを痛めつけるが、マーキーは犯行を認めない。その頃、ある情報がジャッキーの耳に入り...。


原作:ジョージ・V・ヒギンズ
監督・脚本:アンドリュー・ドミニク
出演:ブラッド・ピット/リチャード・ジェンキンス/ジェームズ・ガンドルフィーニ/レイ・リオッタ/スクート・マクネイリー/ベン・メンデルソーン/サム・シェパード/スレイン/ヴィンセント・カラトーラ/マックス・カセラ


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