鑑定士とカウガールの贋作大作戦

2013.05.07

オトコに見せたいこの映画『モネ・ゲーム』 /第127週(火曜担当/松村 知恵美)


『ノーカントリー』でアカデミー作品賞、監督賞、脚色賞を受賞したジョエル&イーサンのコーエン兄弟。
このコーエン兄弟が1966年のコメディ映画『泥棒貴族』をもとに作り上げた脚本を、『英国王のスピーチ』でアカデミー主演男優賞を受賞したコリン・ファース主演で映画化した映画『モネ・ゲーム』。

イギリスを舞台に、インテリなのにどこか間抜けな英国男(コリン・ファース)とテキサス育ちの天真爛漫なカウガール(キャメロン・ディアス)が、イヤミで大金持ちのメディア王(アラン・リックマン)を詐欺にかけようと企む、大人のコメディ・ムービーです。


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"睡蓮"や"積みわら"シリーズなどで知られる印象派の巨匠、クロード・モネ。
『モネ・ゲーム』というタイトルの通り、この作品ではクロード・モネの作品が作品の大きな題材となっています。

コリン・ファース演じる絵画の鑑定士、ハリー・ディーンはモネに執着する雇い主のメディア王、ライオネル・シャバンダーを詐欺にかけることを思いつきます。
モネの連作の一つである"積みわら 夕暮れ"は、第二次世界大戦中、ナチスのゲッペルス元帥の家に接収されていました。
しかし、そのゲッペルス元帥の家を、米軍のプズナウスキー軍曹率いる部隊が急襲して以来、"積みわら 夕暮れ"は行方不明になっていたのです。


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ハリー・ディーンはそのプズナウスキー軍曹の孫娘を捜し出します。
そして"積みわら 夕暮れ"の贋作を用意し、プズナウスキー軍曹の家に"積みわら 夕暮れ"が隠されていたことにして、その贋作をシャバンダーに買わせようとするのです。


しかし、ハリーの計画はなかなかうまく行きません。
まず、見つけ出したプズナウスキー軍曹の孫娘、PJは、テキサス生まれテキサス育ちの自由奔放なカウガール。
シニカルな英国人のハリーとは、なかなかかみ合いません。

しかも、予想外にシャバンダーがPJを気に入って、彼女を口説き始めたりもするのです。
PJもハリーの言うことを聞かず、勝手な行動を取り始め、計画はハチャメチャになっていきます...。


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この映画の魅力は、なんといってもそのミスマッチ感。
真面目で慇懃無礼(でもちょっと間抜け)な英国男・ハリーと、明るく自由奔放なアメリカン・カウガールのPJ。
男にはイヤミな態度だけれど、女性と自分のペットにはやさしい大金持ちのシャバンダー。
他にも、スタンリー・トゥッチ演じるドイツ生まれの美術鑑定士、マーティン・ザイデンベイバーなど、濃くてユニークなキャラクターが登場し、うさんくさい魅力を振りまいているのです。

アメリカ・ミネソタ生まれのコーエン兄弟はイギリスとアメリカの国民性から来るすれ違いのドタバタを見事に脚本化し、アメリカ・ハワイ出身で英国の大学で学んだマイケル・ホフマン監督はそのドタバタ劇をスマートに映像化してみせています。


ゲラゲラ笑えるアメリカ発のコメディももちろん楽しいけれど、英国王を演じたコリン・ファースや、スネイプ先生を演じたアラン・リックマンがニヤリと笑わせてくれるこの作品、まさしく大人のコメディというに相応しいもの。
オトナのデート・ムービーとしても、なかなかオススメな一作です。


(松村知恵美)


『モネ・ゲーム』(90分/アメリカ/2012年)
原題:Gambit
公開:2013年5月17日
配給:ギャガ
製作国:TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて
公式HP:http://monetgame.gaga.ne.jp/


<STORY>
モネの連作"積みわら 夕暮れ"を探しているロンドンのメディア王・シャバンダー。彼に雇われている美術鑑定士のハリー・ディーンはシャバンダーの横暴さに耐えかね、彼を美術品詐欺にかけることを思いつく。シャバンダーを騙し、"積みわら 夕暮れ"の贋作を売り付けようとしていたのだ。ハリーの仲間は、贋作作成が趣味のネルソン少佐と、テキサスからやって来たカウガール、PJ・プズナウスキー。しかし、シャバンダーがPJに興味を持ち始め...。


監督:マイケル・ホフマン
脚本:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン
出演:コリン・ファース/キャメロン・ディアス/アラン・リックマン/トム・コートネイ/スタンリー・トゥッチ/クロリス・リーチマン


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