【本気の筋トレ】体幹トレーニング③

2014.04.23

今回は、体幹=胴体のインナーマッスル、とみなされている場合について考えていきます。

胴体部分の「インナーマッスル」と平気で書きましたが、インナーマッスルという表現も実はあいまいです。

本当ならインナーマッスルの定義も明確にいきたいところですが、これだけでもワンコーナーできてしまうほどなのでサラッと流す程度にします。

各種メディアで紹介されているインナーマッスルという言葉は、どうやら以下のポイントを含んでいるようです。

・身体の深部にある

・姿勢を安定させる(働かないと姿勢が悪くなる)

・代謝をコントロールする

これらを改善・向上するために、体幹トレーニングを行ないましょうと言っているケースがほとんどです。

さて、これについて考察していきますが、まず、大きな認識の間違いを指摘しなければいけません。それは、身体の深部にある小さな筋群の多くは、「単体では活動しないことがほとんど」ということです。つまり、深部筋が大事ですので鍛えましょう、と言っても、トレーニング動作を含めた身体活動のほとんどにおいて、インナーマッスルのみを活動させることは難しく、逆に言えば、一般的なトレーニング種目は基本的に深部の筋群も同時に活動しているので、あえてフォーカスするようなものを行なおうとする必要がないのです。実際に体幹の深部筋を鍛えるエクササイズ、と表現されているものを見てみると、大きな筋も一緒に動いているものばかりです。

次に姿勢を安定させる、というポイントですが、これ自身は間違っているわけではなく、たとえば背骨の一つひとつについているような小さな筋がうまく働かなければ姿勢は崩れてくるでしょうし身体の動きも制限される可能性があります。肩の深部にある筋がうまく連携しなければ、肩関節の自由度は失われるでしょう。ただしこれも、深部筋とともに身体の表面にある大きな筋と連動して動くものがほとんどですので、やはりインナーマッスルというものだけに注視して特殊な運動をする必要はないのです。

最後に代謝について。よくこれら体幹トレーニングを行なうと深部の筋が活性化し、代謝が向上して「やせやすくなる」というような表現を用いているケースをよく見ますが、そもそも深部筋は小さいのですから生み出されるエネルギーも大きな筋に比べて小さいです。よって、効率が良いとは決して言えません。

今回は体幹=胴体のインナーマッスル、とみなされている場合について考えてみました。

前回(その②)とともに、やや否定的な書き方となっていますが、トレーニングの専門家としては、表現や目新しさで興味をひくものよりも、まずやっておくべき、おさえておくべきことがあり、そちらのほうが効率が良いのでおススメしますよ、という考えです。

トレーニングや運動自体に楽しさを見出して実践している方なら問題ありませんが、最初に取り組むときには「どうせやるなら効率的で安全で最短で」効果を出せるものを行なったほうがいいのではないかと考えているので、もったいない、という気持ちが強いのです。

(木村 繁)

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