◆マーク・ホガース氏 インタビュー 日本人男性のファッションや伝統文化への共感とは

2015.03.06

◆ハリスツイード協会クリエイティブ・コンサルタント兼
ハリスツイード・ヘブリディーズ社クリエイティブ・ダイレクター
マーク・ホガース氏  インタビュー vol.2


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ハリスツイード・ヘブリディーズ社のクリエイティブ・ダイレクターが思う

日本人男性のファッションや伝統文化への共感とは?

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メンズ・レディース問わずジャケット、コートやスーツ、バッグなど様々なファッションアイテムに取り入れられているテキスタイル ツイード。ツイードブランドの中でも、高品質で知られているのが、今年紋章発行100周年を迎える「ハリスツイード」社です。


今回、ハリスツイード・ヘブリディーズ社のクリエイティブ・ダイレクターでありながらモデル業にも携わるマーク・ ホガース氏にお話を伺いました。これまでにも何度も来日され、日本文化にも造詣が深いマーク・ホガース氏に、日本の印象や理想の男性像についてお話頂きました。

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◆日本のマーケットにはどんな期待をお持ちでしょうか?



日本はドイツに次いで2番目に大きな市場ですが、私にとって一番大事な市場であり国ですね。私が、ヨーロッパ、米国でハリスツイードの話をするときは、必ず日本での経験の話をしています。その理由は、日本の消費者は、非常に共感力が強く 洗練されていると思っているからです。私が今、グローバルに活動しているので気づくことなのですが、原宿・代官山を歩いている若者のファッションと同じものが、その18ヶ月後になってようやくNYで見られるということがよくあるほどです。



また、日本人はファッション、デザインを 崇拝できる感覚を持っている点も素晴らしいですよね。ハリスツイードは製品だけでなく、我々がこだわりを持って生産しているプロセスも買って頂いていると 考えています。20年前はそんなことは関係なかっ たかもしれませんが、最近はそういう生産のプロセスを重視して下さる消費者も多いですしね。日本の消費者の方なら、ハリスツイードを通じて伝統や理想的なものを理解し、製品を使っていただけると思っています。



それから日本人の文化 や美への認識はヘブリディーズ諸島と似ていると思います。島だから、ユニークなものを大切にする意識が高いものかもしれないですね。日本には伝統文化もあり、歴史がある。世界の他の国も日本のようになってほしいと願っています。



◆たしかに、日本は老舗を大切にして、生産のプロセスを重視する傾向があります。それは日本文化の特徴のひとつと言えるかもしれませんね。



私は厚めのハリスツイードの生地を生かして、椅子をプロデュースする予定ですが、その際に、日本の庭園の知識を使ってみなさんを驚かせようとしています。



なぜならば、ハリスツイードと日本庭園はかなりの類似性があると考えているからです。

日本庭園は外から見る とそれだけでも魅力的ですが、外から見るだけではなくいろんな角度から見たときに真の美しさ、真の自然が見える。この点が非常にハリスツイードと類似して いると感じています。

また、日本庭園は絵画 のようにも見えますが、よくプロセスを見ると実に緻密に計算されています。部分と全体の調和が重視されている点も、ハリスツイードに似ていると考えていま す。私たちはみなさんにハリス・ツイード製品が自然や世界の様々な出来事からインスピレーションを受けていることを知ってもらいたいと思います。





◆日本に何度も来日されていらっしゃるが、日本の男性の印象はいかがですか?



日本の男性は非常に文 化を意識していると感じます。そして、社会に対する自分のポジションを大切にしていますよね。以前は、伝統的にどう社会や企業に合わせるかという意識が強 かったのかもしれませんが、現在はそれは弱まり、それぞれが個人的な意識を持っているのではないでしょうか?



ファッションに関して言うと、私はもし自分がハリスツイードで仕事をしていなくても日本に来ると思えるほど注目しています。日本人男性は独特のスタイルがありながら、色の選び 方が素晴らしいと思います! スタイルとカラーとイメージを自分で抱きながら、服をきているように見えますね。そうやってファッションを選んでいるからこ そ、朝から晩まで自分が選んだ洋服に自信を持って過ごすことができ、服をキュートに楽しむことができる方たちだと感じています。



10年前に初めて日本に来た時、日本の男性がバッグを持って歩いているのが奇異に感じまし た。当時、男性はそれほどいつでもバッグを持ち歩くものではなかったのです。でもそれは合理的な理由があって、今ではパリでもロンドンでもニューヨークで も男性がバッグを持っていますよね。そういう日本の男性が気付いていないところで、世界のファッションに影響を及ぼしていることもあるのですよ。





◆menstrend.jpで は「メトロセクシュアル」という人物像を提唱し、確固たる個性がある人がでてきたら世の中が元気になると考えていますが、マークさんが考える目指すべき理想の男性像はどんなものでしょうか?



メトロセクシュアルは 良いコンセプトですよね。デイヴィット・ベッカムなどが代表格のイメージでしょうか。ただし、今後のメトロセクシュアルにおける理想の男性像としては「メ ンズ・アゲイン」となるのではないかと思います。外見はもちろんですが、内面も磨いていくことが必要ですよね。



今の日本の男性のファッションスタイルは60年代のものが多く、今までは広告に左右されていた時代も あるのだと思いますが、これからは各個人がプロセスに重きを置いてものを選ぶ時代になるだろうと思っています。そうした本質的な観点で選択をできる男性が増えてくるとよいですよね。






◆編集長的チェック!


ハリスツイード紋章のブランドを守るというのは、非常に厳格な基準でプロセス管理をしながら製品を作ることであり、その真摯な姿勢があってこそ100年もの時間を経ても世界中の人々から愛され信頼を得られているのでしょう。また、そうした伝統を守りながらも、若手デザイナーとのコラボレーションなど新しい取り組みに果敢に挑戦されている点は我々も学ぶところが多いと思います。



 マークさんのおっしゃったハリスツイードと日本庭園の共通点もしかり、理想の男性像もしかり...やはり日本もスコットランドも共通点があるようです。日本の江戸時代からある「粋」のスピリットの核となる外見と内面を両方高めていくことで、本質的なものを見極めることができるように思います。最近、エコの意識も浸透してきていますし、循環社会の江戸時代の価値観にこれから日本も世界も回帰していくのかもしれません。





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◆Mark Hogarth(マーク・ホガース)氏プロフィール

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Creative Consultant, Harris Tweed Authority (HTA)

Creative Director, Harris Tweed Hebrides (HTH)

Senior Consultant, Mangersta Ltd.

ハリスツイード・ヘブリディーズ(Harris Tweed Hebrides)に在職してから、400%のビジネス実績を上げる。彼が手がけたプロジェクト(コラボレーションや再ブランディング)は、2009 年度 The VOGUE.COM スコットランテキスタイルブランド賞を受賞。ハリスツイード・ヘブリディーズの急成長への貢献を認められ、2009 年10 月、スコティッシュスタイルアワードを受賞した。また、Mangersta Ltd.にて、ブライアン・ウィルソン氏(Rt Hon Brian Wilson:元英国エネルギー担当大臣)担当コンサルタント業務も務めている。エネルギー関連および社会行政マネージメント分野に携わる。ウェストミンスターの地では、ウィルソン氏のリサーチャーとしての経験(2001-05 年)も持つ。他にも、パートタイムだが、ロンドン、東京、香港、シドニーで国際ファッションモデル業にも携わる。アルドロサンアカデミー、ストラスクライド大学を卒業、地理学部・政治学部学士取得。2007年、ポストグラデュエイト・ディプロマ(ジャーナリズム専攻)を取得。

趣味は、読書、サイクリング、サッカー。

英国ハリスツイード協会 :http://www.harristweed.org

ハリスツイード・ヘブリディーズ社 :http://www.harristweedhebrides.com

スコットランド国際開発庁 :http://www.sci.co.uk


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