オトコに見せたいこの映画『BIUTIFUL ビューティフル』#movie /第25週(火曜担当/松村 知恵美)

2011.05.10

幼い子ども二人を抱え、余命二ヶ月の宣告を受けた父親。
スペイン第二の都市・バルセロナの貧困地区で生まれ育ち、そこで非合法に金銭を稼ぎながら生きて来た彼が、最後に遺せるものはなんなのか...。

今やスペインを代表する俳優となったハビエル・バルデムが鬼気迫る演技を見せる映画『BIUTIFUL ビューティフル』
彼はこの作品でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞しています。

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ハビエル・バルデムが演じる主人公・ウスベルは、大きな矛盾を抱えた人物です。

彼は一人の父親として子どもを愛しているけれど、子どもの行動にいらだち、声を荒げて叱ってしまったりします。
別れた妻・マランブラにも愛情を持ってはいるけれど、彼女の病気やだらしない一面を許せないでいます。
彼は霊能力を持ち死者の言葉を聞くことができるのですが、それをもとに遺族たちから金銭を得ているうさんくさい面も持っています。
自分が世話をしている不法移民たちのことを心配し、彼らのために尽力していますが、結局は彼らからもピンはねしています。

彼は物心つく前に父親を亡くし、さらには母親をも幼い頃に亡くし、兄と二人で貧困地区で生きて来ました。
"父親とはどういうものか"もよくは知らない彼。
彼は自分の死を前にして、初めて父親の顔を知ります。
そして、父親が母親にプレゼントし、そしてその後マランブラへと贈られた父親と母親の形見となる指輪を、死の直前に取り戻すのです。
それが、彼が父親から遺された唯一のものだったのかもしれません。


そんな彼が、死を前にして、この世に遺せるものは何なのか...。
自分の子どもたちに、そして自分がこれまで関わって来た人たちに、何かを遺そうと彼は行動を起こします。
そして、その行動が、さらに大きな矛盾に満ちた結果を引き起こしてしまうのです...。

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『21グラム』『バベル』などで傷つきながらも必死に生きようとする人間たちの群像劇を描いて来たアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ監督が、本作では一人の父親の生き様・死に様を描いた映画『BIUTIFUL ビューティフル』
オトコとしての生き方、父親としての生き方の一例として、ぜひとも観て欲しい一作です。
父の日のプレゼントとして、この映画のチケットを父親にプレゼントしてみるのもよいかもしれません。


『BIUTIFUL ビューティフル』(148分/スペイン=メキシコ/2010年)
原題:Biutiful
公開:2011年6月25日
配給:ファントム・フィルム
劇場:TOHOシネマズ シャンテほか全国にて

<STORY>
スペイン・バルセロナで、幼い子ども二人と暮らしている男・ウスベル。彼は、アフリカ系や中国系の不法移民たちへの仕事の斡旋や警察への口利きなどの非合法な手段で生活の糧を得ていた。彼はある日、末期がんで余命二ヶ月であると宣告される。子どもたちのことを思い、躁鬱病を抱える別れた妻・マランブラと再び一緒に生活を始めるウスベル。彼は過酷な環境の中で暮らす中国系移民たちのことを思い、暖房器具をプレゼントするのだが...。


監督・脚本:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
共同脚本:アルマンド・ボー/ニコラス・ギアコボン
出演:ハビエル・バルデム/ブランカ・ポルティージョ/ルーベン・オカンディアノ/マリセル・アルバレス/エドゥアルド・フェルナンデス/ディアリァトゥ・ダフ/チェン・ツァイシェン


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(C) Menageatroz S. de R.L. de C.V., Mod Producciones S.L., Ikiru Films S.L.

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